医療用ディスプレイの品質保証 (QA とも言う) とは、病院内の全医療用ディスプレイの状態を監視、管理、報告するプロセスを指します。ほとんどの病院において、品質保証は QA 管理者または PACS マネージャーに一任されています。
医療用ディスプレイの品質保証およびコンプライアンスを規制する規格は世界中の国々で定められています。こうした規格への準拠を確実なものにすることは、QA プロセス内の重要かつ複雑な側面でもあります。
医療規格は、多くの地域 (西欧、北米、日本など) で数年をかけて導入されてきましたが、規格はますます厳しくなっています。たとえばドイツでは、新しい DIN 規格 (DIN 6868-157) で、医療用ディスプレイの使用方法 (使用例) および使用場所 (周辺光の明るさにより部屋レベルを分類) に基づいた厳格な要件が定義されています。
また、中東欧、中東、アフリカ・ラテンアメリカ諸国など、他の地域でも同様のガイドラインが定義・施行され始めています。ラテンアメリカでは、規制に基づいた治療を促進するためのStandards Alliance Project (規格提携プロジェクト) のような取り組みが始まっており、規格準拠を取り巻く環境の進化がはっきりと見て取れます。
今日の医療システムは、地理的に分散した大規模な組織全体に散在しています。1 つの病院には複数の入院病棟や専門の診療科病棟があります。これは、長期的に医療コストを抑えるためには病院を統合する必要があったためです。ここで問題となるのは、このように別々の場所に散らばっている IT システムやデバイスをどのように一貫して管理するかということです。
病院統合により、管理すべき医療ワークステーションの数も増加しました。医療 IT では、ディスプレイ品質の管理にかかる時間はますます長くなっています。
医療業界の管理は徹底しており規制も厳しいため、品質管理 (QA) プロセスには報告および監査が含まれています。医療 IT では、PACS 管理者や QA 管理者による文書化およびレポート作成にかかる時間がますます長くなっています。
PACS 管理者や QA 管理者にとって、変わり続ける規制や報告要件に対応するのは容易ではありません。複数施設にまたがる統合医療システムでは、地域ごとに違いがあることもあり、医療コンプライアンスが今まで以上に大きなハードルとなっています。
在宅勤務、遠隔医療、モバイル端末持ち込み (BYOD) などのここ最近の傾向により、医療用ディスプレイ・システムの品質保証はより複雑になっています。
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医療用ディスプレイの品質およびコンプライアンスの管理という課題に対処するために、QA 管理者や PACS マネージャーはスケーラブルで自動化されたソリューションを使って品質保証を処理する必要があります。医療用ディスプレイの販売業者のほとんどが QA ツールを提供してはいますが、機能性には大きな違いがあります。
優れた QA ソリューションでは統合技術を使って長期にわたって画像の安定性を管理しなければなりません。つまり、手動介入を避けるために、すべてのディスプレイを一元的に遠隔で管理する必要があります。また規制に準拠し、監査準備に必要なレポートを生成できる必要があります。そして最終的には、自己修復機能および自動報告機能がなくてはなりません。そうして初めて、医療用ディスプレイすべての継続的なアップタイムと現行の医療規制への準拠が保証されることになります。
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