Barco Pulseによるエレクトロニクス製品には、プロジェクター自体のソフトウェア処理の中に「ワーピング機能」と「ブレンディング機能」を組み込んでいます。Barco Pulseのワーピング機能とブレンディング機能は、以下の2つの方法で制御することができます。 （１）プロジェクターUIからの直接制御：ワーピング機能もブレンディング機能もBarco Pulseに統合されていますので、通常のプロジェクターのユーザーインターフェース（UI）から直接設定することができます。プロジェクターUIの設定メニューや制御パネルを使用して、ワーピングとブレンディングのパラメーターを調整し、投影する映像を調整します。 （２）Barco Pulseコマンド プロトコル (JSON-RPC) を使用：Barco Pulseは、JSON-RPC（JavaScript Object Notation Remote Procedure Call）と呼ばれるプロトコルに準拠していおり、外部からのコントロールも可能です。Barco Pulseのコマンド・プロトコルを使用すると、独自の制御シーケンスを組んだり、サードパーティ製アプリケーションを介したワーピングやブレンディングを実行できるようになります。またJSON-RPCを介したプログラミングやスクリプトを使用することで、特別な設定を行うことも可能です。現場で実際の投影環境に応じた操作しやすく効果的にワーピング制御やブレンディング制御が可能になります。ワーピング機能とブレンディング機能をプロジェクターのジオメトリ補正に使用するメリットのひとつとして、画像生成プロセッサー（Image Generator＝IG）での処理能力負担を軽減できることがあります。 （１）IGの処理能力の解放：通常、IGは「コンテンツ生成」や「複雑なグラフィックス処理」に使われています。プロジェクターがワーピングおよびブレンディングを内蔵していれば、プロジェクター自体がコンテンツのジオメトリ補正を担いますので、IGはその処理から解放されます。その分、IGは演算能力の多くを本来の用途に集中できますので、高度な画像生成やリアルタイムグラフィックス処理にリソースを割り当てることができます。 （２）効率的なシステム運用：プロジェクター自体がワーピングとブレンディングを処理することで、システム全体として見た場合の「効率性」が向上します。IGの性能が向上し、システム全体は、より複雑なコンテンツ処理を実行できるようになります。 （３）シンプルな設定と操作：プロジェクターに内蔵されたワーピングおよびブレンディング機能は、ユーザーフレンドリーなUI画面と設定メニューで動作させることができます。また設定はシンプルで直感的に操作できるため、ユーザーは容易にプロジェクターを配置し、投影面の補正を実行することができます。このような組み込まれた機能により、プロジェクションシステム全体の使いやすさに寄与します。™Barco独自のSSP（Single Step Processing）技術により、画像処理がワンステップで完結されるため、プロジェクターでジオメトリ補正が行われたとしても、システム全体として見た場合の信号遅延は極限まで低減されています。

高帯域幅を活かした信号伝送

Barco Pulseにより、プロジェクターの帯域幅が増加し、最大で「4K / 60Hz」または「WQXGA / 120Hz」までの入力信号を受け取ることができます。これにより以下のメリットが生まれます。 （１）高解像度のサポート：Barco Pulseは高い帯域幅を提供し、4K解像度や高いリフレッシュレートのソースであってもプロジェクターが入力を受け付けてくれます。高解像度やハイフレームレートの映像は、細部までクリアな映像投影につながります。 （２）滑らかな映像表示：「WQXGA / 120Hz」までの高リフレッシュレートの入力信号に対応することで、映像を滑らかに表示してくれます。動きのあるシーンに最適です。 （３）画質の向上：Barco Pulseにより、モーションアーティファクトがない高品質な映像が実現されます。鮮明な画像で色彩表現も向上し、映像視聴体験も向上します。 （４）データ転送の迅速性：Barco Pulseが提供する高い帯域幅が、大容量データの迅速な伝送を可能にします。遅延のないリアルタイムでの映像伝送や大容量データのリアルタイム処理を実現します。 （５）アーチファクトの低減：帯域幅の向上は、画像アーティファクトの低減にも寄与します。Barco Pulseにより、プロジェクターは先進的な映像処理機能を活用できますので、高品質で没入感のある映像投影を実現してくれます。Barco Pulseは、Display Port 1.2経由による「10ビット・カラー演算処理」をサポートしています。™Barco Pulseは「ダークタイム・インサーション」を活用することで、コンテンツ内を高速移動する物体が引き起こすスミア発生を低減する処理（SRP）も実現しています。そして何より重要なポイントとして、Barco Pulseをプラットフォームに据えたエレクトロニクス製品であれば、将来的なアップグレードが可能なように設計されていることです。新製品の登場によって、映像システム全体が陳腐化してしまう事態を防ぎ、将来に渡って最新の状態でアップグレードされ続ける拡張性を持っています。いま高額なソリューションに投資したとしても、決して「数年、稼働しただけで無駄になってしまう」ということはありません。
プロジェクターは、USBをプロジェクター本体に挿入することで単体でアップグレードする方法と、ネットワークに接続してリモート・アップグレードする方法のどちらにも対応しています。 

新しいBarcoのプロジェクターは、全機種ともに共通のユーザーインターフェースを採用しています。

Barco Pulseによる直感的なユーザーインターフェースが、迅速な設置と簡単なセットアップを可能にします。一度、UI画面内の各メニューと操作方法を理解してしまえば、異なるBarcoのプロジェクターであっても、簡単に操作することができるようになります。